アクアリウムにおいてレイアウトで利用される機会の多い溶岩石ですが、石の中では比較的水質に影響を及ぼしやすいものと言われています。
今回は溶岩石を水槽に入れた場合にPH、KH(炭酸塩硬度)、GH(総硬度)、電気伝導度(ppm)の値にどの程度影響があるか実際に測定してみました。
PHを計測するにはPHメーターを使用し、電気伝導度(ppm)の計測はTDSメーターを使用しています。
またKH(炭酸塩硬度)、GH(総硬度)はテトラ テスト6in1試験紙を使用しました。
試験紙の精度はそこまで良くないとは思いますが、参考程度にみてください。
検証方法
KH、GHについては初日と最終日のみの計測を行い、PH、電気伝導度(ppm)については7日間毎日計測します。
バケツに水を5Lほどいれ、そこへ溶岩石を投入しました。
バケツ水量のメモリが7Lになったので約2Lの溶岩石を投入したことになります。
あとは8日間毎日PH、電気伝導度(ppm)を計測します。
使用した溶岩石
今回使用した溶岩石はこちらで購入した富士山の溶岩石です。
こちらの溶岩石は水にぬれると真っ黒になり、レイアウトで使うと水草の色が映えるので私のお気に入りです。詳しくはこちらの記事でどうぞ。
実測値
検証に使用した水道水を計測
伝導率(ppm):70ppm
KH(炭酸塩硬度):3d°
GH(総硬度):4d°
実際に計測した結果
日数 | PH | 電気伝導(ppm) | KH(炭酸塩硬度) | GH(総硬度) |
---|---|---|---|---|
初日 | 7.05 | 70ppm | 3°d | 4°d |
2日目 | 7.00 | 68ppm | - | - |
3日目 | 6.95 | 68ppm | - | - |
4日目 | 7.03 | 70ppm | - | - |
5日目 | 7.11 | 75ppm | - | - |
6日目 | 7.32 | 77ppm | - | - |
7日目 | 7.35 | 77ppm | - | - |
8日目 | 7.39 | 78ppm | 3°d | 6°d |
最初の4日間はほとんど変化がありませんでしたが、5日目から徐々にPHとppmの値が上がり始めました。
最終的には8日間でPHは7.05→7.39、電気伝導度は67ppm→78ppmという結果となりました。
予測していた数値より小さい範囲での上昇でしたが、やはり溶岩石を入れると水質に変化が現れました。
PHやppmを上げる要因となったのは、おそらく溶岩石から溶け出したカルシウム分だと思われます。
KH(炭酸塩硬度)、GH(総硬度)も若干の変化があり硬度が上がっていることが分かります。
これくらいの水質変化であれば週一回の水替えを行うことで、水質の変化を抑えることができるので、水槽レイアウトの石組に向いている溶岩石なのではないでしょうか。
水替えで対応しきれない場合などはPH調整剤を使ってもPHを下げることもできます。
今回使用した溶岩石は水質の変化が小さかったですが、溶岩石の種類によってはもっと大きく水質が変化してくる可能もあります。
初めて使う溶岩石はどれくらい水質に変化があるか、今回の検証のように確認したほうが良いでしょう。
では良いアクアリウムライフを!