夏の水温対策はすんでいますか?
6月を過ぎたころになると、地域によってはかなり気温が高くなってくると思います。
水温があがると水槽にさまざまな影響がでてくるので、早め早めの対策を行いましょう。
今回は夏場の水槽の温度対策について書いていきたいと思います。
高水温の危険性
夏場になると気温が上がり、水槽の水温もそれに比例して高温になっていきます。
水温が30度を越えると生体に悪影響が出始め最悪の場合は、生体が全滅ということになりかねません。
私もアクアリウム初心者のころに大失敗をしてしまいました。
そのころは高水温がどれだけ危険かまったく理解しておらず、猛暑日に水温対策をせずに一日外出してしまいました。
夕方に家に戻ったころには水温が35度まで上がっていて、飼育していたネオンテトラが明らかにおかしな動きをしていました。
その結果悲しいことに、次の日の朝にはネオンテトラが全滅するという事態になってしまったのです。
これは私の失敗談ですが、実際に高水温になると水槽に何が起こるのか説明したいと思います。
酸素量が溶解量が減り酸欠になる
水温が高くなると水に溶け込むことができる酸素量が減少します。その為、酸欠が起きやすくなり生体を弱らせてしまうことがあります。
特にCO2添加を行ってる環境の場合は、より酸欠になる可能性が高くなってきます。
高水温が続くような環境ではCO2添加を少なめにしたり、エアレーションを行うと酸欠の予防になります。
ろ過能力が低下する
高水温になると酸欠になり、酸欠になると酸素を多く必要とするバクテリアの活動が弱くなります。
また酸欠状態が長く続くことでバクテリアが死滅してしまう可能性もあります。
その為、ろ過能力へ悪影響となりろ過能力が低下してしまいます。
ろ過能力の低下はそのまま水質悪化へつながってきます。
生体が高水温自体に耐えられない
多くの生体は30度以上の水温に適用していません。高水温が長い時間続くと体力が減りそのまま死んでしまうことがあります。
特にエビは高温に弱く、どんなに水温が上がっても26度以下に維持することが望ましいところです。
生体の種類によっても差はありますが、下記がおおよその適正水温となります。
・エビ 20~26度
・金魚 15~28度
・水草 20~27度
これらはあくまで参考値ですので、飼育している生体を個別に調べて確認しましょう。
対策
では次に水温の対策について説明します。
水温管理は高水温になってしまった場合に下げることも大切ですが、如何にして水温を上げないかということが大切になります。
出来るだけ早い時期から夏場の水温対策を行うようにしましょう。
冷却ファンて冷やす
水槽用の冷却ファンを使って水温を下げる方法です。
風を当てて冷やすというよりは、風を当てたときに水が蒸発され気化熱で水温を下げる方法となります。
冷却ファンで下げられる温度の目安は2~4度です。
水槽専用の冷却ファン以外の扇風機などでも同じように水温を下げる効果はありますが、連続運転が想定されていない製品を使うと高熱を持ち危険ですので使用はお勧めしません。
水温が下がりすぎてしまう場合もあるので「逆サーモスタット」の導入もおすすめします。
エアコンで室温を下げる
室内用のエアコンで室温を下げることで水温を下げます。
水温を下げる目的ではなく、どちらかというと水温が上昇しにくくするための対策になります。
室内が冷えている状態で冷却ファンを使用するとかなりの効果があります。エアコンと冷却ファンを併用をおすすめします。
水槽用クーラーを使う
水槽用品の中には水槽専用のクーラーも販売されています。
水槽を安定して冷やすことができます。非常に便利なのですが冷却ファンと比べると機器の価格が高価になります。
また電気代も高くなるというデメリットもあります。
フタを外す
生体の飛び出し防止や水の蒸発を抑えてくれる水槽の蓋ですが、照明などの熱を閉じ込め水温を上げてしまうことがあります。
特に水槽をほどんど覆うようにフタがされている場合は空気の逃げ場がなく、水の蒸発も妨げられるので水温が下がりづらくなります。
フタをはずし熱をこもらないように対策をおすすめしますが、生体の飛び出し防止をしたい場合は、メッシュ(網目)状の蓋を使う方法もあります。
水量を増やす
水温は水量が多いほど温度の変化がゆっくりになり水温上昇を防ぐことができます。
普段より水量を増やしたり、大きめの水槽を使うと水温の変化を小さく抑えることができます。
水中モーターを調整する
ろ過装置用の水中モーターは思っている以上に発熱しているのはご存じでしょうか。
冬であれば水温を上げられるので節電には良いのですが、夏は完全に逆効果になってしまいます。
モーターが水槽の外についている外部フィルターの使用や出力を調整して使用すると水温上昇を抑えることができます。
また外部フィルターであればフィルター部分を冷却することで水槽全体を少しずつ冷やすことができます。保冷材などを使って冷やすときは、温度の変化を観察しながら水温が急激に下がりすぎないように注意しましょう。
太陽光を当てない
窓の近くや直射日光のあたる場所に水槽を置かないようにしましょう。太陽光が当たると急激に水温が上がる原因となります。
どうしても直射日光が当たるような場所から水槽を移動出来ない場合はカーテンを閉めたり、何らかの方法で光をさえぎるようにしましょう。
照明の高さを上げる
照明が水面から近いと水温が上がる原因となります。
照明のリフトアップを行ったり、吊り下げ式の照明を使うと水面との距離を離すことができます。
また昼間の気温が上がりやすい時間帯は照明をつけずに、夜間気温が下がったときに照明を点灯すると水温上昇を抑えることができます。
やってはいけない対策
良く間違って行ってしまう方法が、冷たい水を入れたり氷を水槽に直接いれてしまう方法です。
この方法は絶対に行わないでください。
急激に水温が低下すると生体に悪影響だけではなく、有機バクテリアなども死滅してしまうことがあります。
水温を下げたい場合は安全な方法で対策をしましょう。