初心者でも簡単に育てられる水草を探しているなら、「アヌビアスナナ」はかなりオススメです。
アクアリウムショップやホームセンターの熱帯魚コーナーでもよく見かける水草なので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
成長はゆっくりですが、とても丈夫で、強い照明やCO2添加がなくても育てやすい水草です。
また、底床に植えるというよりも、流木や石に活着させて使えるのでレイアウトにも使いやすいですよ。

今回はそんなアヌビアスナナの育て方や活着方法、コケ対策、増やし方について詳しく説明していきたいと思います。
アヌビアスナナはどんな水草?
アヌビアスナナは、サトイモ科アヌビアス属の水草です。
濃い緑色の硬めの葉が特徴で、水草の中では成長速度がかなり遅い部類になります。
ただ、この「成長が遅い」という特徴のおかげで、頻繁にトリミングをする必要がありません。
一度レイアウトしてしまえば手間が少なく、初心者でも管理しやすい水草だと思います。
アヌビアスナナの育成目安
- 育成難易度:やさしい
- 成長速度:遅い
- 光量:弱めでOK
- CO2添加:なくても育成可能
- 水温:22~28℃程度が目安
- レイアウト:前景~中景、流木・石への活着
水質にも比較的幅広く対応できるので、初めて水草を育てる人にも扱いやすい種類です。
アヌビアスナナの育て方
アヌビアスナナを育てるうえで、特別に難しいことはありません。
むしろ注意したいのは、良く育てようとして光を強くしすぎたり、手を掛けすぎたりしないことだと思います。
光量は弱めでも十分
アヌビアスナナは陰性水草なので、強い照明を必要としません。
他の水草を育てている水槽であれば、その照明だけでも十分育てられる場合がほとんどです。
流木の陰や他の水草の陰になる場所でも育てることができるので、少し暗くなってしまう場所のレイアウトにも使いやすいですよ。
逆に光が強すぎると、成長の遅い葉の表面にコケが付きやすくなります。
我が家でも高光量の環境で育てたことがありますが、葉の傷みやコケが気になることがありました。
アヌビアスナナだけを考えるのであれば、無理に強い光を当てる必要はないと思います。
CO2はなくても育てられる
アヌビアスナナは、CO2を添加しなくても育てることができます。
もちろんCO2を添加している水草水槽でも育てられますが、アヌビアスナナのためだけにCO2添加装置を用意する必要はありません。
「水草を育てたいけれどCO2添加まではちょっと……」という人にも向いていますね。
水温は一般的な熱帯魚水槽でOK
水温は22~28℃程度を目安にしておけば、一般的な熱帯魚水槽でそのまま育てることができます。
特別にアヌビアスナナ専用の水温へ調整する必要はありません。
ただし丈夫な水草とはいえ、水温や水質が急激に変わると調子を崩すことがあります。
購入直後や水槽を移動した直後は、しばらく様子を見ながら育てていきましょう。
肥料は入れすぎなくても大丈夫
成長が遅い水草なので、肥料を大量に必要とする水草ではありません。
魚を飼育している水槽で普通に水換えをしながら管理しているのであれば、まずは肥料を追加せずに様子を見ても良いと思います。
葉の状態や他の水草の様子を確認しながら、必要であれば少量ずつ液体肥料などを使用しましょう。
「成長が遅い=肥料が足りない」とは限らないので、肥料の入れすぎには注意してくださいね。
アヌビアスナナは根茎を埋めない
アヌビアスナナを育てるときに、一番注意したいのが根茎(こんけい)を底床の中へ埋めないことです。
葉と根の付け根にある、横に伸びている太い茎のような部分が根茎です。
普通の水草と同じ感覚でこの部分までソイルや砂の中へ埋めてしまうと、根茎が傷んで腐ってしまうことがあります。
私はアヌビアスナナの場合、底床へ植えるよりも流木や石へ活着させて使う方法がオススメです。
アヌビアスナナを流木や石に活着させる
アヌビアスナナは、流木や石に根を伸ばして活着させることができます。
活着させてしまえば流木ごと移動することができるので、レイアウト変更や水槽の掃除もしやすくなります。
あとから「少し場所を移動したいな」と思ったときにも便利ですよ。
活着させる方法
1.ポットからアヌビアスナナを取り出す
購入したアヌビアスナナがポット入りの場合は、ポットから取り出し、根に付いているウールなどをできるだけ取り除きます。
2.流木や石の位置を決める
根茎が流木や石の表面に触れるように置きます。
このとき葉が完全に下を向いたり、根茎が流木の隙間へ強く押し込まれたりしないようにしましょう。
3.テグスなどで固定する
活着するまでは、テグスなどを使って流木や石へ固定します。
強く締めすぎると根茎を傷めてしまうので、動かない程度に軽く固定すればOKです。
4.そのまま水槽で育てる
しばらく育てていると根が流木や石へ伸び、少しずつ固定されていきます。
しっかり活着した後は、そのままでも問題ありませんが、見た目が気になる場合は固定に使ったテグスを外しても良いでしょう。
アヌビアスナナはコケが付きやすい
アヌビアスナナを長く育てていると、一番悩まされやすいのが葉に付くコケです。
アヌビアスナナは成長が遅く、一枚の葉を長く維持するので、その分コケが付着する時間も長くなります。
特に強い照明が直接当たる場所では、葉の表面がコケまみれになってしまうことがあります。
照明を強くしすぎない
まず確認したいのが照明です。
アヌビアスナナには強い光は必要ありません。
他の水草のために強い照明を使っている場合は、流木や背の高い水草の陰になる場所へ移動してあげるだけでも管理しやすくなります。
葉に付いたコケは早めに取り除く
葉が硬いので、軽いコケであれば指や柔らかいスポンジなどで優しく落とすことができます。
ただし、強くこすりすぎると葉を傷めてしまいます。
完全にコケで覆われてしまった古い葉は、無理にきれいにしようとせず、状態を見ながら葉の付け根から取り除く方法もあります。
コケ取り生体は補助として使う
ヤマトヌマエビやオトシンクルスなどのコケ取り生体を入れている水槽では、葉の表面をつついて掃除してくれることがあります。
ただし、どんなコケでも全部食べてくれるわけではありません。
コケ取り生体だけに任せるのではなく、照明時間や水換え、餌の量など、水槽全体の環境も確認することが大切です。
アヌビアスナナを株分けで増やす
アヌビアスナナは、根茎を切り分ける「株分け」で増やすことができます。
成長速度が遅いので短期間で大量に増える水草ではありませんが、長く育てていると根茎が少しずつ伸びてきます。
株分けの方法
1.十分に成長した株を選ぶ
購入したばかりの小さな株をすぐに分けるのではなく、根茎がある程度伸び、葉や根が複数付いている株を使います。
2.根茎を切り分ける
清潔なハサミを使い、切り分けた両方の株に葉と根が残る位置で根茎をカットします。
3.それぞれを流木や石へ活着させる
分けた株は、そのまま別の流木や石へ固定して育てます。
株分け直後は少し弱っている場合もあるので、いきなり強い光を当てず、しばらく様子を見てあげましょう。
アヌビアスナナがうまく育たないとき
葉が黄色くなった
古い葉が少しずつ黄色くなって枯れていくこと自体は珍しくありません。
ただ、新しい葉まで次々と黄色くなる場合は、強すぎる照明、水質の急変、根茎の状態などを確認してみましょう。
原因が分からない状態で肥料を大量に追加するのは避けた方が良いと思います。
根茎が柔らかくなっている
根茎が黒っぽくなったり、柔らかく崩れるようになっている場合は注意が必要です。
特に根茎を底床の中へ埋めている場合は、一度取り出して根茎が露出する状態へ変更しましょう。
傷んでいる部分が広がっている場合は、状態の良い部分まで残すように傷んだ部分を取り除きます。
全然大きくならない
アヌビアスナナは、もともと成長が遅い水草です。
数週間育てても見た目がほとんど変わらないことがあります。
葉の色が良く、根茎が硬く、少しずつ新しい葉が出ているのであれば、焦らず気長に育てていきましょう。
アヌビアスナナは水中で花を咲かせることもある
アヌビアスナナを長く育てていると、水中で花を咲かせることがあります。
我が家のアヌビアスナナでも実際に花が咲いたことがあります。

最初は新しい葉だと思っていたのですが、いつまで経っても開かず、茎だけがどんどん伸びてきて「これは花なのでは?」と気が付きました。
白く小さな花なので、普段のアヌビアスナナとは少し違った雰囲気を楽しめましたよ。
花を咲かせるためだけに環境を大きく変える必要はないと思います。
花が咲いたらラッキー!くらいに考えて、普段通り気長に育てていきましょう。
アヌビアスナナは初心者にもオススメの水草
アヌビアスナナは、強い照明やCO2添加がなくても育てやすく、頻繁なトリミングも必要ありません。
流木や石へ活着させることができるので、レイアウト変更もしやすく、初心者でもかなり扱いやすい水草だと思います。
「初めて水草を育てるけど、すぐに枯らしてしまわないか心配……」という人にもオススメできます。
丈夫で長く楽しめる水草なので、ぜひ一度育ててみてくださいね!
では良いアクアリウムライフを!


