「水槽のガラス面や水草に茶色いコケが生えてきたけど、見た目が悪いし除去したい」
「茶ゴケを掃除してもまたすぐに生えてきて、本当に嫌になるなぁ」
こんなお悩みに答えます。
原因は硝酸塩と長時間の弱光
茶ゴケは正式には珪藻(けいそう)と呼び植物プランクトンの一種で単細胞の光合成をおこなう生物です。温度の低い環境で増えやすい傾向があります。
水槽立ち上げ初期に発生することが多いですが、淡水であれば水質が安定してしまえば自然と茶ゴケは消えていきます。
茶ゴケは他のコケと同じように生体の糞やエサの食べ残しなどから発生する硝酸塩を栄養とします。
強い光より長時間の弱い光を好み増殖していきます。
また茶ゴケはケイ素を必要としている為、水替えの際に水道水からケイ素が補給され増殖する心配とされますが、
水質が安定した状態の水槽の水を頻繁に変えたとしても珪藻が発生しないことから、過度に心配する必要はありません。
予防と対策
水草を入れる
茶ゴケの栄養源となる硝酸塩濃度を下げるために、硝酸塩を吸収する水草を多めに入れることで茶ゴケの発生を弱めることができます。
水草の中でも特にマツモが水質浄化能力に優れているので、硝酸塩だけではなく硝酸塩の原因となるアンモニアや亜硝酸塩も吸収してくれます。
水槽立ち上げ時にマツモを1、2本入れておくだけでコケをかなり予防できコケに悩まされることが減るのでオススメです^^
照明の時間と強さを調整する
前述したように茶ゴケは長時間の弱い光を好みます。
一日中電気がついているような場所(リビング等)に水槽を置いている場合は茶ゴケの成長にとって優位な環境となってしまいます。
水槽照明をつけない時間帯は水槽に光が入らないよう布やプラダン等を使って水槽を遮光するとコケの予防となります。
また水質が安定するまでの間は、照明の点灯時間を6時間程にまで短くするのも対策になります。
照明点灯時間のコントロールはコンセントタイマーを使うと自動でオン/オフできるので便利です。
コケ取り生体を入れる
コケを食べる生体を入れておくと茶ゴケが発生しても繁殖スピードを抑えることができます。
水槽を立ち上げる際に、コケ取り生体を入れることを念頭に飼育する生体数を決めておくと後から過密にならずにすみます。
またコケ取り生体の中でも水槽ガラス面をきれいにしてくれる生体を選ぶと茶ゴケ予防なりやすいです。
この記事の最後に茶ゴケにオススメな生体を紹介しますので参考にしてください。
除去方法
擦り取る
コケの発生量が少ない間はこすり取るだけで十分な対策となります。
茶ゴケは軽く擦るだけで簡単に除去できるので手でこすり取っても良いですし、スクレーパーで除去することもできます。
石や造形物は取り出せるようであれば、水槽外で作業のほうが作業がしやすいので取り出して行いましょう。
凹凸の多い石は水槽から出し、熱湯に浸けると細かいところまで簡単に除去できます。
茶ゴケは増えるスピードも早いので、見つけたらできるだけ早く除去しましょう。
遮光と水替え
茶ゴケがある程度の量増えてしまい手が付けられなくなったら遮光により一気に除去を行う必要があります。
茶ゴケは光合成をおこなう植物プランクトンなので、一定期間遮光すると除去ができます。
1.事前にガラス面や造形物等の茶ゴケをできる範囲で取り除く2.茶ゴケを食べる生体を入れる
3.水槽を遮光し光が入らないようにする
4.5日間、毎日3分の1くらいの換水をおこなう
遮光を行っている間は生体への餌やりは最小限にしCO2の添加も止めます。
水草が植えてある場合5日の間は光合成できなくなりますが、水草はコケより強いので簡単に枯れることはありません。
また遮光している間の換水で水の余分な栄養を取り除き茶ゴケを弱らせることができます。
さらにコケを食べる生体で茶ゴケを食べさせることで、短期間でコケの除去を一気におこなえます。
茶ゴケを食べるオススメ生体
茶ゴケを好んで食べる生体を紹介します。
コケ対策で生体を入れる際に注意したい点は、コケを食べてくれる生体もまた水を汚しコケの原因となることです。
既に生体が過密状態の水槽の場合は、むやみに入れると茶ゴケがより酷くなってしまいますので生体の数を減らすなどしてから入れしましょう。
オトシンクルス
オトシンクルスは茶ゴケを好んで食べる魚です。
水槽面に張り付くようにして、削り取るように茶ゴケを食べてくれます。
茶ゴケ予防で選ぶ魚であれば最初に検討しても良いくらい定番の生体です。
60cm水槽であれば5~6匹がコケ取りには適しています。
フネアマ貝
最強コケ取り貝です。
茶ゴケを好み他の貝とは一線を画したコケ取り能力を発揮します。
水槽のガラス面や石などを中心にコケを除去してくれます。
難点としては張り付く力が強く簡単に移動できないことと、卵を色々な場所に産卵し景観を損ねることくらいでしょうか。
フネアマ貝の繁殖には汽水域が必要となるので、通常は大量に増えてしまうことはまずありえないのでその点は安心でしょう。
60cm水槽で1~2匹程で対策になります。
石巻貝
コケ取り貝としては定番の種類です。
価格は他の貝類に比べると安価でアクアリウムショップやホームセンター等、色々な場所で販売され手に入れやすい品種です。
フネアマ貝ほどではありませんが、ガラス面についたコケを取り除くのに十分な能力を発揮します。
ひっくり返りそのままにしていると死んでしまうので注意する必要があります。
60cm水槽で5,6匹入れれば対策になります。
ヤマトヌマエビ
コケ取りには定番の少し大きめのエビです。
茶ゴケも好んで食べます。他のさまざまコケも食べるので予防につながりオススメの生体です。
コケ取り能力は強力過ぎるくらいで、コケだけでなく水草の葉の柔らかい部分や新芽を食べてしまい「食害」が発生してしまうこともあるので注意が必要です。
また水槽のガラス面についたコケは食べることができません。
60cm水槽であれば10匹前後いれておけば十分コケの対策になります。
茶ゴケの除去や対策、原因についていかがでしたか?
コケは景観を損ねるので本当に嫌ですよね。この記事で少しでもお役に立てたら幸いです。
では良いアクアリウムライフを!